デジタル一眼カメラ α99 徹底レビュー

このページではソニーのデジタル一眼カメラ α99(ILCA-99)のレビューをお届けします。

コンパクトなボディのα99の実力とはいったどんなものなのか?35ミリフルサイズセンサーを搭載「α99」のレビューをお届けします。 

※販売終了商品です。α99はソニーストアでの販売を終了しました。これから購入検討中の方には 後継モデル「α99II」をオススメしています。そちらのレビュー記事も参考になさってください。

α99II レビュー Aマウントフラッグシップ 作例付きで徹底解説!|当店の記事

マグネシウム合金でボディ形成!強くて軽い多機能フルサイズ!

α99は 35mmフルサイズセンサーを搭載し、APS-C上位機「α77」で好評な3軸チルトモニターなどを採用しているのにも関わらず、コンパクトでかつ軽量なのが大きな魅力。

外見は「α77」にとても近いデザイン。これは、現α77ユーザーさん始め、過去からのAマウントαユーザーさんからすると、各ボタンスイッチ含め大きくデザイン変更がないということは、購入後すんなりと扱えそうです。そう考えると、これはこれでいいのかも知れません。

α99のワッペンはボディに刻まれたものじゃないし、外見はコストダウンしているようにも思われたのですが・・・カタログを見てみるとびっくりしました。なんとボディのほとんどがマグネシウム合金で形成されているのです。

「型番の主張?そんなの撮影や機能とは関係ないのでは?」そんな開発サイドの声が聞こえて来そうです。(勝手な想像) 見えないところにお金をかける。とはこういうことを言うのでしょうか?

α99はトップやリア、そして内部の構造体に至るまでマグネシウムで形成。・・・なるほど、これで手に持ったときに「塊感」の理由がよくわかりました。

ただ塊感があるとは言え、その値打ちも「軽さ」で帳消しにされてしまう感じがあるのは損なところかも。 

低価格帯の一眼タイプのものと比べると、α99はあきらかに大きく重いのですが、これでフルサイズセンサー搭載であり、現状で出来る限りのフル装備。と、いうことを考えると本当にコンパクトで軽量と言えるでしょう。 それに防塵や防滴にももちろん対応済みです。 

α99 は3軸ディスプレイやEVFなど、どこか「家電屋カメラ」の臭いがするのですが、防塵・防滴などはαの上位モデルとして、ずっとこだわっているところ。  マグネシウム合金に防塵・防滴。これなら安心して屋外のハードな環境下でも使えそうです。(※レンズにも防塵防滴対応が必要です)

ボディが軽いと良いことがたくさん。まずは体が疲れにくい。と、いうこと。それと撮りに行こうというモチベーションもあがるものです。 この クラスのカメラを購入または検討される方の多くは「カメラに詳しい方」だと思うのですが、その辺りは良くわかって頂けるのではないでしょうか?

そうそう!コンパクトだとカメラバッグへの収まりの良さもあります。これって割とポイント高いのではないでしょうか?。

多機能・多ボタンながらも直感操作が出来るようになった!

α99がα77に似ているなぁ~と思うのは、なにも前から見た印象だけではありません。 背面のボタン配列も似ていて、α77のユーザーさんにとっては、操作性がほぼ変わりなく行えるのではないでしょか?

ただ、α77のレビューでも書いていますが、私はこのボタンの配置についてはあまり良い印象を持っていません。

と、いうのもボタンが多い割には各ボタンから脳に伝わるインフォメーションが少なく、ファインダーを覗きながら構えたとき「これなんのボタンだっけ?」と、なることが多かったのです。

もちろん、そんなものは「慣れて解決」なのでしょうが、違う種類のカメラを同時に使う時、とっさにボタンが判断出来ず、撮りたいときにパニックになってしまうなんてこともしばしば・・・そこでα99の背面のボタン配列を見たときは、正直・・・うーん。と、思ったものです。

しかし!!そんな不満点はα99では、見事に解決されています!

もともとα77の扱いに慣れていることもあって、すんなり操作は出来るようになっている私ですが、α99には微妙な段差がついてあったり、ボタンによっては 出っ張りのあるものや、へこんでいるものがあったり・・・ボタンから指を通じてインフォメーションが伝わってくるようになっていました。

これは正直言って嬉しい! もしかすると、いろんな場で言っていたことが製作側に伝わったのかな?なんて思ったり。 これならファインダーを覗いたままでも、直感的に操作出来そうです。これはフィールドに出るのが楽しみになってきましたよ。

α77と違うところも書いておきます。例えばモードダイヤル、こちらにはロック機構が付きました。

α77ユーザーでα99と2個持ちで考えたとき、こちらは多少の慣れが必要かも知れませんね。 しかし、これでカバンの中でダイヤルがクルクルと一人回りしてしまうなんてことも、ほとんどないでしょう。

それと、ボディの左下のところには「サイレントマルチコントローラー」が付きました。

こちらは滑るように回るその名の通りの静音設計の「サイレントコントローラー」です。 主な使い勝手は、操作する時の音が入らないよう動画用として用意されたものですが、もちろん静止画撮影の時も使えます。

操作の仕方は中にあるプッシュボタンと、周りのダイヤルで色々な機能が使えるようになっています。

1プッシュで選択されている機能が使えるようになり、長プッシュで機能選択となります。 例えば、1プッシュでフォーカス測距点の移動、その後、長プッシュで露出補正の機能選択、そして露出補正の操作するなどと言った、一連の操作が行えます。

ちなみに機能チョイスは自分の好みで、かなりカスタマイズすることが可能でしたよ。今度はメモリーカードスロットにも注目してみましょう。

SD+SD/メモリースティックDuo のデュアルスロット。 メモリーカードをそれぞれのスロットに入れることによって、メディア間のコピーであったり、静止画も動画も同時記録出来るなどの機能も備えています。「もしもの時」も安心ですね。

モニターにはα77で採用されている3軸チルト液晶が採用されました。

この3軸モニターについては後ほど詳しく紹介しますが、すごく操作性が上がっていました。 なんと言ってもモニターを引き出すときの動作が非常に軽いのです。 α77だと「よっこいしょ。」だったのがα99では「ひょい。」って感じです。

ボディの左側面にも注目です。

グリップの反対側にある位置には、多くの端子が用意されています。 それぞれ4つの部屋に分かれていて、扉を開けるそんなイメージでアクセス出来るようになっていましたよ。

革新のデュアルAFシステムを搭載

α99は世界初の「デュアルAF」システムなるもの搭載。19点位相差AFセンサー+102点像面位相差センサーでピントの中抜けを防ぎ、高精度+高速なAFを実現しています。

真ん中によっているAFエリアはフルサイズ機らしいところ(苦笑)。しかし、ここでは四角い「枠」と小さな「+」に注目してください。 四角い「枠」が位相差AFセンサーで19点。その周りにある小さな「+」が102点ある像面位相差センサーです。

像面位相差センサーは左右の位相差AFセンサーの周りにびっしり配置。このクラスの一眼タイプのカメラだと、真ん中のAFは速くて正確は当たり前。その真ん中と比べると、左右その上下が結構弱かったりするのですが、このデュアルAFシステムなら「弱点も克服」。と、言ったところではないでしょうか?

ショ ウルームでは動体などの被写体がないので、ソニーがうたう高速・高精度AFの精度は正直はわからなかったのですが、コントラスト差が少ないような(コント ラストが無いわけではない)ところでも、現行のαと比べてAFの食いつきは良くなっている、そんな印象を受けました。

さて、そんなデュアルAFシステムの特長を最大に活かした、AFモードがα99から初搭載されました。

それが、デスマップアシストコンティニュアンスAF・・・って、すごく長~い名称のもの。略してAF-D。 これは19点位相差AFセンサー+102点像面位相差センサーで3次元的に被写体を捉え続けるというモードで動体の撮影時に使いたいモードです。

カタログにもこのモードについては大きく書かれてあるので、これは期待大。早くフィールドに出て撮影してみたいものです。

ちなみに、このデュアルAFシステムは使用出来るレンズに制限があったり、動画撮影時などでは使えません。その点だけはご注意ください。

イメージどおりの撮影を可能にする有機ELファインダー

αシリーズが、有機ELファインダーを搭載したのはα77からでした。 液晶ファンダーと違い有機ELファインダーは高画質高精細なのがウリ。かなり実像に近い表現力となっています。

しかし、この電子ファインダーについては賛否両論あるのではないでしょうか? 特にα99はαの最上位機種として発表されましたので、やはり光学ファインダーが欲しかった・・・と、おっしゃる方も多いでしょう。

電子ファインダーは便利なのはわかっているけど、光学式のファインダーと違って、どうしても遅延が発生する、だから側面から飛び出してくるような被写体には向いていないであったり、奥行き感がつかみにくいであったり・・・と、いろいろな意見があるのではないでしょうか?

しかし、α99のファインダーには、それらの弱点をカバーするだけの大きな魅力を持っている。と、いうところも知っていただきたいと思います。

α99 有機EL電子ファインダーの大きな魅力ポイント

  • センサーが捉えた状況をそのままファインダーで投影するため忠実な撮影が出来る。
  • 拡大表示がファインダー内で行えるため、ピント合わせも正確に。
  • ホワイトバランス・Dレンジ・露出など、撮影結果が事前に行える。
  • ファインダー内で画像や動画の再生が可能、もちろん拡大表示も。
  • デジタル水準器やグリッド表示・ヒストグラム表示など、インフォメーションが豊か。
  • APS-Cフォーマット対応レンズ装着時、上下左右がマスクされることなく100%表示。
  • ファインダー色温度の調整も可能に。

と、こんな感じで、光学ファインダーでは出来なかったことが、α99搭載の電子ビューファインダーなら出来ること、いっぱいあるんです。

電子ビューファインダーはα55から始まってα77と、私も使い始めはなかなか慣れずにいましたが、α77になっていろいろ使っているうちに、今では電子ファインダーの方が使いやすい・・・と、思ってたります。

光学ファインダーにはあれだけ慣れし親しんだのに、人間とは順応するものだなぁ、と、妙に感心するのですが、中でも「イメージのまま」で撮れる。と、いうところがもっとも便利。 最近では「Mモード」でほぼ 撮影するようになりました。だって、ファインダーに露出等が反映されるのだから、もうカメラに露出を任せる必要がないんですよね。

電子ファインダーを見て明るすぎたらシャッター速度を落としたり、絞ってみたりISOを変えてみたり。でも、このままだったらシャッター速度が稼げないから、ISO上げてもう一度露出を考えてみたり・・・と「Mモード」で、撮影するのが本当に楽しくなりますよ。

最後の仕上げは印象的にするのか、自然な感じにするのか?そこでもファインダー内で変化が見てとれるホワイトバランスをいじってみたり・・・まさに、自分の意図通りの撮影で被写体と向き合えます。

またAPS-Cレンズを装着したときの互換性にも注目です。α99なら、光学ファインダー機が採用しているマスクや枠などを気にしながら撮ることも必要もないですし、像が遠く小さくなるなんてこともありません。 これこそ電子ファインダーの強味ではないでしょうか?

操作性がアップした3軸チルトモニター

ミラーアップを必要としない α99 のトランスルーセントミラーテクノロジーは「フルタイムライブビュー」が魅力。 電源オンすれば、すぐに背面のモニターを見ながら撮影が可能です。 ここからはそのモニターの話をしていきましょう。

α99の背面モニターは「3軸チルト」。自分撮りも出来るし、ローアングル・ハイアングルの撮影は当たり前。無理な姿勢でファインダーを覗くことなく、自分のベストのポジションで撮影を可能にしてくれます。

約92.1万ドットの液晶には、ソニーならではの技術が入ってありαシリーズでは初となる「WhiteMagic」技術を採用。 従来のRGBに加え「白画素のW」を加えた「RGBW」方式の液晶パネルは表示輝度が従来の2倍、屋外での撮影をサポートしてくれます。

とはいえ優れたファインダーのα99なので、日中屋外での撮影はファインダーを使用しての撮影となりそうですが、「ファインダーを覗きこむには厳しい姿勢の時」などで重宝しそうですね。 こういったシチュエーション、案外思いつく方も多いのではないでしょうか?

また、最初の方にも書きましたが、α77と比べると操作性も随分上がっています。

α77との比較になってしまうのですが、α77のチルト液晶は手前に引き出す際結構重く、指がかりも悪いなぁ。と、感じる時がありました。ちょっとした時にイラっとすることもあったのですが(笑)、α99ではとても軽くなり、指のかかりが良くなっています。

とても微妙なことかも知れませんが、こういった進化って新型ならでは。だよな~って思ってしまいます。

※販売終了商品です。α99はソニーストアでの販売を終了しました。これから購入検討中の方には 後継モデル「α99II」をオススメしています。そちらのレビュー記事も参考になさってください。

α99II レビュー Aマウントフラッグシップ 作例付きで徹底解説!|当店の記事


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